タレント

桃月なしこさん

『ウルトラジャンプ』30周年を記念してタレントの桃月なしこさんにインタビュー。普段からマンガを読んでいて、特に異世界転生モノが好きという桃月なしこさんに、『ベイビー車中ハッカーズ』『只野工業高校の日常』『転生アラサー女子の異世改活』の3作品を読んでいただき、感想を伺いました。普段は手に取らないような作品に触れることで、新鮮な驚きもあったようです!

はじめに

Q

―― 自己紹介をお願いします。

桃月タレントの桃月なしこです。趣味はカードゲームと麻雀と謎解きです。マンガも普段からすごく読んでいて、異世界転生モノが特に好きです。よろしくお願いします!

『ベイビー車中ハッカーズ』について

Q

―― まずは作品を読んだ印象についてお聞かせください。

桃月あまりこういうジャンルのマンガを読んだことがなくて、この機会に初めて読ませていただきました。車中泊に興味を持ったことも今までなかったんですけど……普通にベッドで寝た方がいいし(笑)。それでも1巻を読んだだけで、「なんか車中泊っていいかも?」と思わせてくれる作品でした。キャラクターとして、朝日ちゃんも富士も、二人ともすごいかわいらしいですね。

Q

―― 気に入ったキャラクターは誰でしょうか? その理由もお聞かせください。

桃月朝日ちゃんです!どちらかというと自分も陰キャ寄りなので、ぐいぐいきてくれる子の方が話しやすいので……「こういう子が周りにいるといいな」という目線でも、朝日ちゃんいいなと思いました。逆に富士だと、陰キャ同士になって、あまり仲良くしがたいというか(笑)。お互い自分発信で会話するということがないので……そうなるとやっぱり、興味を持って話しかけてくれる朝日ちゃんみたいな女の子がいいですね。

Q

―― 番印象に残ったシーンはどこだったでしょうか? その理由もお聞かせください。

桃月第1話の、最初のご飯のシーンですね。多分同じパンを普通に家のトースターで焼いて食べたら、普通の美味しさだと思うんです。でも車の中で調理して食べるという非日常が、さらに美味しそうに見えて。車の中って、ご飯もこんなに楽しめるんだ!ということを教えてくれるシーンでもあるので、そこも含めて好きですね。やっぱり一緒にご飯を食べると仲良くなりますよね、人って。ホットケーキのバースデーケーキも良いですよね。ちゃんと富士が朝日の免許証の誕生日の日付を見てて……あそこも二人の距離が縮まったシーンですね。

Q

―― 富士の方にご自身が似ているということでしたが、特にどういったところが似ていると感じましたか?

桃月自分の“好き”を共有したがらないところですね。誰かに理解されたいわけでもなく、好きなものは好きみたいなところ。私の学生時代は、まだまだ「オタクってちょっと……」みたいに言われる時代で、あまり大っぴらに言えることじゃない雰囲気があったんです。でも全然、自分はマンガやアニメが好きだし?っていうテンションで生きていたので(笑)。そこが富士と似てるかなと思いましたね。好きなものは好きだから、それを他者にどうこう言われる筋合いはないというか。それでどう見られるかはあまり興味がない(笑)。

Q

―― 車中泊をしてみたいと思いましたか?

桃月この作品を読む前は全く興味がなかったんですけど、これぐらい車の中を好きな空間にできるなら、やってみたいなって思いました。車内の環境を整えて、自分の好きなようにカスタムして……そもそも私は外があまり好きじゃないんですけど、車の中だったら、色々なところに移動した上で、車内で楽しめるじゃないですか。それはすごいいいなって思います。これぐらい環境を整えてくれる人がいるなら(笑)、ぜひやらせていただきたいですね。

Q

―― 作中では車の中が富士の秘密基地ですが、桃月さんにも秘密基地のようにしている場所やお気に入りの場所はありますか?

桃月家にいるときは大体ソファーの上にいますね。そこから動かない(笑)。意識してそこで過ごしているわけではないんですけど、恐らく好きな場所なんだと思います。ソファー周りの環境を整えて、手が届く範囲にゲームだったり好きなものを置いて……ある意味私にとっての秘密基地なのかも知れませんね。

Q

―― 桃月さんが「これへの愛は誰にも負けない!」と思える趣味や好きなものをひとつ教えてください。

桃月ポケモンです! ポケモンはコンテンツがすごいたくさんあって、そこがまず好きです。そのなかでも私は「ポケモンGO」が一番好きですね。最近は「ポケモンGO」のためだけに海外に行ってます(笑)。海外限定のポケモンやイベントを求めて、今年はシンガポールと台湾に行きました。新規実装やイベントでピックアップされているポケモンは、色違いが全部捕まえられるまで帰らないとか……もはや修行ですね(笑)。

Q

―― この作品を人に薦める時に、ぜひ観てほしいポイントはどこでしょうか?

桃月『ベイビー車中ハッカーズ』というタイトルからして、車に興味がないと楽しめないんじゃないかなと感じる方もいると思うんです。でもあまり車に興味がない私でもあっという間に読み終えてしまうぐらいおもしろいし、車に興味がない人間が、車に興味を持てるようになるような内容になっているので、ぜひ一回読んでみてほしいなと思いました。

『只野工業高校の日常』について

Q

―― まずは作品を読んだ印象についてお聞かせください。

桃月工業高校ってこんな感じなんだ……と思いました。自分が高校を選択するとき候補に入っていなかったので、ちゃんと調べたこともなくて……なので最近まで「工業高校って何をしてる学校なんだろう?」みたいな感じだったんですけど、この作品を読んで、学科が色々あることを初めて知りました。車関係も工業に入るんだ、とか。知識が増えましたね(笑)。あとは男子高校生たちがかわいいです(笑)。私は商業高校で女性が多かったので、男子高校生がたくさん集まると、こんなに楽しそうなんだって思いました。これは全く知らない世界でしたね。

Q

―― 気に入ったキャラクターは誰でしょうか? その理由もあわせて教えてください。

桃月みんなキャラクターが立っていてすごく魅力的なので、一番を選ぶのは難しいし、読んでいくうちに変わる可能性は大いにあるんですけど……いまは藤原先生です。このちょっとゆるい感じがいいですよね。私もこういう先生に習いたかったなって思いました。ゆるいんだけどちゃんとみんなのことを見ていて、やることはちゃんとやって……気楽に話ができる先生っていいなあと思いました。

Q

―― 一番印象に残ったシーンはどこだったでしょうか? その理由もお聞かせください。

桃月1巻の終盤から始まった女子ストーリーが印象に残りました。工業高校に転校してくる女子って、覚悟がいると思うんですよね。周りは男の子ばっかで……転校生の永廻咲ちゃん自身も、それこそ「いびられるんじゃないか」とビビっていて。工業高校の女子の生態がちょっと見えて印象的でした。それから咲ちゃんに話しかけてくれた、電気科の女の子も好きです。私も“顎クイ”されたいですね(笑)。男の子だけの会話と、そこに女の子が一人加わったときの会話って、全然内容が変わってくるじゃないですか。今後の高校生活がどう展開されるんだろうって、ちょっとわくわくしますね。転校生も、なぜこのタイミングで、しかも工業高校に転校してきたのか……とか、楽しみですね!

Q

―― 個性的なキャラクターがたくさん登場しますが、学校での過ごし方や勉強への姿勢といった面で、一番自分に似ていると感じたキャラクターは誰ですか?

桃月たぶん私の当時の学校での過ごし方をマンガに取り入れるとしたら、めっちゃモブです(笑)。名前もないような。テストの点数が良いわけでも悪いわけでもなく、部活をめちゃめちゃ頑張っていたわけでもなく……本当に特に何も頑張っていない高校時代でした。部活はバスケ部を半年で辞めて、環境美化部という、週に1回30分だけ校内の清掃と花の水やりをする部活に入りました。うちの高校は必ず部活に入らないといけなくて……環境美化部は、大体他の部活を辞めた人が最後に入る部活だったんです。最後の砦みたいな(笑)。ただ、問題が一個だけあって……私はヒマなんですけど、友達はみんな部活をやってるから、帰るタイミングが会わないんですよ。だから必然的に、放課後は一人でアニメイトに行ったり、スタバに行ったり……そこはちょっとミスったなと思いました(笑)。学校終わりに友達とどこか寄り道する、そういう思い出がないというか。

Q

―― 学生時代にあった特徴的な慣習や、身についたスキルなどはありましたか?

桃月准看護学校に行っているときは、本当に友達がいなかったので、人と全くなれ合わず「一人で生きていく」という選択肢を選べるようになりました(笑)。准看護学校って、年齢層が幅広いんですよ。同じクラスでも、高校から進学した18歳が一番若くて、上は四十代ぐらいの方までいて。私は高校から進学したから、学生の延長線なんですけど。二十代~四十代の方は、久々の学生生活だからテンションが高くて。私はもともと学校がそこまで好きじゃないタイプだったので、皆さんがワイワイしている空気に溶け込めなくて……でも無理して合わせるのも面倒くさいなと思い、それで一人で過ごすという選択肢を選んでいました。でもだからこそ憧れもあるんだと思います、只野工業高校の男子たちみたいに、みんなでわちゃわちゃする学生生活に。

Q

―― もう一度好きな学校に通えるとしたら、桃月さんはどんな専門分野を学びたいですか?

桃月心理学系にはずっと興味を持っていたので、もし何でも選べるなら、大学の心理学科に進学して、心理学を学んでみたいですね。興味を持ったきっかけがあったわけではないんですけど……人の思考に興味があるんです。目の前のその人に興味がある、というよりは、その人の持つ思考に興味があるみたいな。

Q

―― この作品を人に薦める時に、ぜひ観てほしいポイントはどこでしょうか?

桃月私みたいに、高校生活にあまり思い出がない方でも、「高校ってこんなに楽しいところだったんだ」って思わせてくれる作品だと思うので、ぜひ高校時代に非リア充だった方にも読んでほしいなと思います(笑)。

『転生アラサー女子の異世改活』について

Q

―― まずは作品を読んだ印象についてお聞かせください。

桃月もともと異世界転生系がすごく好きで、これまでも色々な作品を読んできたので、すごく楽しみながら読ませていただきました。異世界転生系って、1巻で起承転結がわかるというか、その物語における結末までが結構わかりやすく描かれているものが多いんです。転生先の世界や転生したキャラクターの説明とか、バッドエンドを迎えてしまう未来がわかっているとか、こういう目的に向かって進んでいくとか。でもこの作品は、1巻の段階ではまだまだ謎だらけで……誰が味方で誰が敵かもわからないし。なぜ主人公のマグノリアが、こういう状況(軟禁状態)に置かれているのかさえまだわからない。「転生しちゃいました」というところまでしか説明がないんですよね。だからここから何がどうなっていくんだろう?という楽しみがありますね。

Q

―― 気に入ったキャラクターは誰でしょうか? その理由もお聞かせください。

桃月パパ(ジェラルド)は正体が気になりますよね。パパがパパじゃなさすぎる……異世界転生系って、主人公は転生先で家族に愛されているお話が多いと思うんです。周りは敵だけど、家族や親だけは味方みたいな……でもこの作品は、その家族でさえ味方なのか敵なのかもよくわかっていない……そういう意味では、家族全員が気になりますね。でもやっぱり、ジェラルドが特に怪しいかな。そもそも、敵と味方って何なのかっていう話にもなってくるんですけど(笑)。

Q

―― 一番印象に残ったシーンはどこでしょうか? その理由もお聞かせください。

桃月目の奥が一切笑っていないジェラルドのシーン。このシーンで、父親が怪しいのがわかりましたよね。ジェラルドが怪しいシーンはここに限らず、怖く描かれているので、印象に残りやすいんですよね。「他言無用で」のところとか。なぜ父親がマグノリアに対してこういう態度なのか、気になりますね。とにかくただの父親ではなさそう(笑)。

Q

―― もしも桃月さんがマグノリアに転生したら、どんな生活を送りますか? また、誰を味方につけたいですか?

桃月恐らく作中のマグノリアと同じように、この状況を知らないと何も行動に移せないので、まずはこの世界の知識を広げようとすると思います。そこからどう行動するかは、マグノリアとは変わるのかも知れないですけど……とにかく知識を得てから考えます(笑)。味方にしたいというか、味方であって欲しいのはメイドさんたちですね。味方のふりして敵な可能性もあるんですけど(笑)。でも親よりも一緒にいる時間は長そうだし、味方だと信じさせてほしいです。ジェラルドが食事に来なくて、マグノリアがかわいそうで、マグノリアのために泣いてくれるところとか……いい人なんだなと思いました。

Q

―― 桃月さんが転生するとしたら、どんな世界のどんな人になりたいですか?

桃月魔法を使ってみたいですね。水晶に自分の手をかざしたら自分のスキルが決まるみたいな、そういうのもやってみたいです(笑)。魔法学校の入学時に手をかざすとスキルや魔力量がわかるとか、そういうの。それでハズレとされるスキルを与えられて、でもそれが実は強くて、そのハズレスキルで無双したいですね。

Q

―― もしも現在の記憶や知識を保ったまま三歳の頃に戻ったら、どのように生きていくと思いますか?

桃月私は、幼少期は自分の容姿を「悪くはない」と思ってましたけど、自信はなかったんです。でも今のお仕事を通して「私のビジュアルって価値があったんだ」という認識を持てるようになったので、多分三歳の頃から「自分はかわいい」と思って生きてたら、自己肯定感もすごい高くなって、もっと早く芸能界に入ると思います。思考も今の自分とは全然違う子になって、全然違う未来を歩んでそうですね。商業科には進んでないだろうし、もっと早く愛知から出てきてたかも知れないし。アイドルをやってる世界もあるかも知れないし(笑)。

Q

―― この作品を人に薦める時に、ぜひ観てほしいポイントはどこでしょうか?

桃月異世界転生系って、本当にめちゃめちゃ数が多いので。正直もうおなかいっぱいだよ、と思ってる人も多いと思うんです。でも今までたくさん異世界転生系の物語を読んできた私でも、あまり見たことがないストーリー展開だなと思えた作品なので、ぜひお腹いっぱいな方にも一度読んでみてほしいですね。とにかく続きが気になります!

最後に

Q

―― 『ウルトラジャンプ』30周年について、コメントをお願いします。

桃月『ウルトラジャンプ』30周年おめでとうございます!マンガはもともとすごく好きでしたが、こういう風にマンガを読むお仕事は初めてでした。普段は意識的に「このシーンがすごい良かったな」とか「このキャラクターが気になるな」とか、そういうことを考えて読んでいなかったので、ちゃんと意識して読んで、その感想をこうして人に伝えるというのは、結構難しかったです。それから『異世改活』は自分でも手に取りそうな作品なんですけど、『ベイビー車中ハッカーズ』と『只野工業高校』に関しては、このお仕事をいただかなかったら、読まなさそうなジャンルでした。たくさんマンガを読んできたからこそ、好きなジャンルが偏ってきてしまって……でも実際はどちらもすごくおもしろかったので、こういう機会をいただけてありがたかったです!

タレント

桃月なしこ さん

Profile

タレント

桃月なしこ さん

ニュースサイトにて可愛すぎる現役ナースとして注目され、300万PVを叩き出し、1日で2万人のフォロワーが増えて話題となった。現在はbisレギュラーモデル、人気コスプレイヤーとして活躍中。