パフォーマー
世界さん
『ウルトラジャンプ』30周年を記念してEXILEのパフォーマーである世界さんにインタビュー。日頃からSNSにてマンガ情報を発信している世界さんに、『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』『ヴァルハラ・オティンティン館』『女装男子はスカートを脱ぎたい』の3作品を読んでいただき、感想を伺いました。なかなか癖強な作品たちですが、それに負けない世界さんらしい観点のコメントが光ります!
はじめに
Q
―― 自己紹介をお願いします。
世界世界といいます。FANTASTICS from EXILE TRIBEというグループに所属しています。父がマンガ好きで、僕自身も比較的早い時期から『週刊少年ジャンプ』を読み始めました。漢字も『ジャンプ』で覚えたくらいです。子供の頃からマンガに触れることが多かったのは、親や親戚のおかげです。親戚の中に昔でいう「マニア」な方がいて、小学生の頃から『魁!!男塾』を勧められたり、『北斗の拳』も早い段階で読み始めました。今回の『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』のように自分が生まれる前の作品にも触れる機会が多かったです。学校の友達からもいろんなマンガを教えてもらい、常にマンガに囲まれて育ちました。今でも家はマンガとゲームだらけです。
『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』について
Q
―― まずは作品を読んだ印象についてお聞かせください。
世界読んだ瞬間、「とんでもない作品だな」と感じました。ダークでカッコよく、エッチなヒロインも多数登場します。バトルシーンの迫力は圧巻で、特に27巻あたりでは大胆な描写もありつつ、全体としてはキャラクター一人ひとりの魅力が際立っています。笑いあり、熱さあり、いろんな要素が絶妙に混ざり合っていて、ジャンルを超えた面白さを持つ作品だと思いました。
Q
―― 気に入ったキャラクターは誰でしょうか? その理由もお聞かせください。
世界ガラの部下の忍者も好きですが、ガラに着いていったら危ないな…。でも本当は着いていきたいですね。もちろんダーク・シュナイダーも好きです。銀髪ロングがカッコいいですが、どこが孤独なところがあるところに惹かれます。アーシェス・ネイもすごい気に入りました。褐色ヒロインが好きっていうのもありましたが、強いけれど嫉妬したり女の子らしい一面を出すギャップがよかったです。他には、ストーリーが進んだら登場する天使キャラも可愛いし、イケメンもいっぱい出てくるので、そういうキャラたちも好きですね。
Q
―― 印象に残ったシーンはどこだったでしょうか? その理由もお聞かせください。
世界戦闘シーン全般が強く印象に残っています。緻密に描かれた絵や人物の配置、背景とのバランスが素晴らしく、シリアスなシーンからギャグ顔への緩急も絶妙です。また、擬音の使い方や魔法の呪文も独特で、思わず声に出してしまいたくなる楽しさがあります。そういったシーンは全体的に印象に残っていますね。
Q
―― 本作には様々な勢力が登場しますが、メタ=リカーナ王国側、四天王側、どちら側に参加してみたいですか?
世界どちらに付いても危険が多いので、第三勢力でひっそり生きたいですね。両方に強いキャラクターが多すぎて、すぐ死んでしまいそうなので(笑)。
Q
―― 本作には様々な魔法が登場しますが、使ってみたいものはありますか? その理由も教えてください。
世界「爆裂(ダムド)」を使ってみたいです。使いやすそうですし、コストパフォーマンスもよくて、現実世界で使えたらまさに無双モードですね。呪文もカッコよくて、詠唱を途中で省略できるテンポの良さも気に入っています。
Q
―― 本作は1988年に連載が始まり、いまだに高い人気を誇りますが、どういった点が魅力だと思われますか?
世界今のファンタジー作品の原点のような世界観が詰まっているところだと思います。魔界や魔法の設定がしっかりしていて、若い世代にも馴染みやすい要素が多いところもいいですね。そして何より、ダークでカッコいい主人公、魅力的なヒロイン、迫力あるバトルが揃っているのが魅力です。ヒーロー好きも悪役好きも楽しめる普遍的な面白さがあります。あと地名や魔法の名前が、外国のロックバンドをベースにしていたりするから、そういうのに詳しい先輩と『BASTARD!!』を通して交流するきっかけのひとつになったこともよかったですね。
Q
―― この作品を人に薦める時に、ぜひ観てほしいポイントはどこでしょうか?
世界まず絵の緻密さと迫力を見てほしいです。人物の配置や背景といった構図の細かさは圧倒的で、マンガとしての完成度が非常に高い。物語が進むにつれてスケールが宇宙規模にまで広がる壮大さも魅力的です。また、構成や絵柄で生まれる緩急のギャップや印象的な呪文の名前など、細部の遊び心も楽しめます。コミックスでじっくり読むと、その魅力を存分に味わえると思います。
『ヴァルハラ・オティンティン館』
について
Q
―― まずは作品を読んだ印象についてお聞かせください。
世界面白いエロマンガが始まったなと思いました。テンポがすごく良くて、エッチな部分だけじゃなく嫌な男の部分もしっかり描いているところが好感度高いです。単にエロいだけじゃなく、翔太がどう成り上がっていくかというサクセスストーリーに加えて、ギャグ要素も強く、読んでいて純粋に面白いです。
Q
―― 気に入ったキャラクターは誰でしょうか? その理由もお聞かせください。
世界最初はカサンドラがいいなと思って読んでいたんですが、結果的に一番エッチなのはウルスラさんなんじゃないかなと思いました。作品の中で翔太に一番真っ当にアプローチして、落そうとしているところが好感ポイント高いですね。でも正直、みんな魅力的だと思います。
Q
―― 一番印象に残ったシーンはどこでしょうか? その理由もお聞かせください。
世界第1話の「千回目のオナニー」というタイトルには衝撃を受けました。単純計算で365日じゃ足りないし、翔太はいつから数え始めてるんだろうって(笑)。あとは女の子がエロのシーンになると急に語彙力のレベルがグンと上がるのも面白いですよね。翔太くんはいつもすごい頭がいいのに、エロな場面になると翔太くんがバカになって、女の子たちがすごい賢くなるなっていう、立場が逆転するのが面白いです。エッチな場面でもちゃんとギャグとして面白くて、すごくバランスがいいんですよね。
Q
―― 異世界転生モノの本作ですが、世界さんがもし異世界に転生するならどのような世界に行ってみたいですか? また、どのようなキャラクターになってみたいですか?
世界行けるなら、この作品の世界に1秒でも早く行きたいです。日本語が通じるのがまず一番ありがたい(笑)。翔太は身一つで成り上がっていきますが、もし僕が行くなら魔法が使えるキャラになりたいですね。空を飛んだり、肉体を強化できる力があったらもっと楽しそうです。戦争はあるけど、翔太くんの周りでは誰も死なない平和な世界なので、そういう意味でも行ってみたいです。
Q
―― ヴァルハラ・オティンティン館のようなところに勤めてみたいと思いますか? 男娼以外の職種だとどういった仕事内容で勤めてみたいですか?
世界EXILEにいるから男娼の方が面白い気もするんですけど(笑)、たぶん僕は掃除係とか裏方に回るかな。ただダンスはできるので、もし勤めるなら館の中で踊って盛り上げたり、スイーツ作りや料理で貢献したり、チームを組んで平和的に盛り上げたいですね。異世界に行ったらダンスは武器になると思います。
Q
―― スイーツ作りなどの意外なスキルを持つ翔太ですが、世界さんは人から「意外」と言われるようなスキルはお持ちでしょうか?
世界ダンス以外だと、意外と人と喋るのが好きってよく言われます。あと、田舎育ちなので蛇を素手で捕まえたり、家に入ってきたカブトムシを外に出したりしていました。整理整頓や記憶力には自信があって、どこに何があるかすぐに把握できるので、そういうスキルはあるかもしれないです。
Q
―― この作品を人に薦める時に、ぜひ観てほしいポイントはどこでしょうか?
世界タイトルがちょっと過激なので敬遠されがちかもしれないけど、実は純愛ストーリーなんです。エッチなシーンもたくさんあるけど、そこに至る過程がちゃんと面白く描かれていて、ギャグもキレッキレ。翔太くんがサクセスストーリーとしてどう成り上がっていくかも魅力で、彼は本当にかっこいいです。絵やコマ割りもテンポがいいので、年齢を問わず楽しめる作品だと思います。
『女装男子はスカートを脱ぎたい!』について
Q
―― まずは作品を読んだ印象についてお聞かせください。
世界数ページ読んだ時点で「これはラブコメなんだな」とわかるんです。それで、「ういちゃんがたまちゃんのために頑張る系の話かな?」という印象で読み進めるうちに、実はたまちゃんの方がとんでもない人物だと気づくんですよ。ヤバいって言うと語弊がありますけど(笑)、とにかくすごい作品だなと思いました。それがわかって、1巻と2巻を通して読むと、この学校では毎日とんでもないことが起きている。だけどそれが、ある種の純愛として成立しているのが面白いんですよね。かなりねじ曲がっているのに、結果的に純愛になっているという珍しいパターンだなと感じました。
Q
―― 本作は、しなぎれ先生の可憐な絵も魅力のひとつです。美少女マンガを多く読まれている世界さんから見て、先生の絵柄はどう映りますか?
世界めちゃくちゃ可愛いですね。僕の大好きなタイプの絵柄です。男の子に見える女の子、女の子に見える男の子を描くって、すごく難しいと思うんですが、その絶妙なラインを完璧に突いてきてます。髪型や眉の細さ、体操服や私服といった服装での印象の差まで細かく描き分けられていて、読んでいて感心します。それに、キャラクターの表情や仕草が丁寧で、背景や学校の描写も細かい。男子キャラも置いてけぼりにせず、ちゃんと物語に巻き込んでいるところもいいですね。
Q
―― 「好きな人の近くにいるために女装する」と「かわいい幼馴染を愛でるために変態性を隠す」の2択だと、どちらに共感できますか? また、本人になり代われるならどちらの立場が好みでしょうか?
世界なり代わるなら、たまちゃん側かな? ういちゃん側だと毎日気が気じゃなくて、心臓に悪すぎます(笑)。僕がたまちゃんだったら、物語を楽しむ余裕がない気もしますが、秘密を知っていて知らないふりをする──いわゆる“馬鹿になったふり”で関係を楽しむのは、ちょっとやってみたいです。
Q
―― お気に入りのエピソードや、「自分ならこうする」と思った場面はありますか?
世界1巻序盤の、膝の上に座る、座らないのシーンですね。作中では下に座る選択をしているんですけど、「いや、そこは絶対膝に座った方がいいでしょう!」って読んでいて思いました。僕なら恥ずかしさより先にバレるのを恐れて、下には座らないですね。でも、この“正常な判断ができない”感じこそが、この作品の面白さなんですよね。
Q
―― 本作はメインキャラクターの「ういちゃん」と「たまちゃん」が、それぞれ秘密を抱えながらも仲睦まじく描かれています。世界さんがこれまで人と関わるときに、秘密にされていたことはありますか?
世界もちろんありますね。後になってから「え、そんなことがあったの?」と知らされて驚いたこともあります。逆に、自分が知っていてもあえて言わないこともありました。例えば、その場の空気を壊さないために“知らないふり”をすることもあります。飲みの席でわざと酔ったふりをして話を聞く、みたいな感じですね。秘密って、重い内容だけじゃなくて、そういう軽いものも含めて日常の中に結構あると思います。自分がもし作中の立場だったら、ういちゃんのように毎日気を張り続けるのは、正直しんどいと思います。たまちゃん側のように「実は全部知っているけど知らないふりをする」ほうが、気持ち的にはずっと楽ですね。
Q
―― この作品を人に薦める時に、ぜひ観てほしいポイントはどこでしょうか?
世界男女のやり取りももちろんですが、この学校全体の人間模様が面白い。女装男子という設定から生まれるドキッとするシーンが多く、絵柄もセリフも演出もすごく良いです。中高生くらいの男女が抱える秘密や感情が赤裸々に描かれていて、青春の香りがします。僕はこの作品は100%アニメ化すると思っています。フルカラー版で読みたいくらいですし、声優さんを誰がやるのかも気になりますね。
最後に
Q
―― 『ウルトラジャンプ』30周年について、コメントをお願いします。
世界30周年ということは、僕の4つ下なので、同い年のような感覚で育ってきました。もともと『週刊少年ジャンプ』を読んでいて、その流れで『ウルトラジャンプ』や『Vジャンプ』の作品にも触れてきました。年齢に沿って読むものが変わっていくのは、僕や作品が好きな人、さらには作品にとっても大きな救いになったと思います。だから、30年といわず、これからもずっと続いてほしいと願っています。
パフォーマー
世界 さん
Profile
パフォーマー
世界 さん
EXILE、FANTASTICS from EXILE TRIBEのメンバーとして活躍中。SNSでのコアなマンガ、アニメファン発言が話題となっている。現在は、佐藤大樹とEXPGより選出された5名によるグループ、FANTASTICSのリーダーも務め、活動の場を拡げている。
公式サイト: https://exile.jp/